2.法令の規定を参照した次のア~コのうち正しいものを5つ選び、その記号を解答欄に
記入せよ。(5点)
ア. 被用者たる船員がその職務を行うにあたり故意または過失によって他人に加えた
損害については、船舶所有者は当該船員の選任および監督につき無過失を立証でき
なければ、その賠償の責に任ずる。
イ. 荷受人が留保なく運送品を受取り、かつ、運送賃その他の費用を支払った場合に
は原則として船舶所有者の責任は消滅するが、船舶所有者が悪意である場合はもち
ろんのこと、運送品に直ちに発見することができない毀損又は一部滅失があった場
合で荷受人が引渡の日から2週間以内に船舶所有者に対して通知を発出したときは
船舶所有者の責任は消滅しない。
ウ. 内航船に係る船舶所有者は運送契約の趣旨に適合した当該航海を安全になしうる
能力を備えた船舶を傭船者又は荷送人に提供する義務を負い、当該義務に違反した
結果生じた損害に対しては賠償する責任を負い、特約によっても免責されない。
エ. 共同海損が成立するためには、船舶及び積荷を危険から守る目的で船舶又は積荷
につき故意かつ異常な処分がなされた場合でなければならない。
オ. 全部傭船契約において運送品の一部に不可抗力による滅失が生じた場合には契約
は当然に終了せず、船舶所有者の負担を加重しない範囲内において傭船者は他の運
送品を船積できる。
カ. 船長は疾病などやむを得ない事由により自ら船舶の指揮をなすことが出来ない場
合、法令に別段の定めがある場合を除く他、代船長を選任することができるが、こ
の場合、船長は代船長の選任および監督について船舶所有者に対して責任を負う。
キ. 海難救助に係る救助料の請求権は救助の時から、また、共同海損の分担請求権は
共同海損行為の終了した時から、それぞれ1年の時効で消滅する。
ク. 船籍港外において船舶の修繕に係る費用が4分の3を超える場合には船長は管海
官庁の認可を得て船舶を競売することができる。
ケ. 救助料請求権が発生するにあたっては、船舶又は積荷の全部又は一部が海難に遭
遇した場合に、義務なくしてこれを救助すれば足り、救助の成功の有無については
問わない。
コ. 旅客が一身上の不可抗力により航海をすることが出来なくなった場合には、船舶
所有者は運送賃の半額を請求することができ、当該事由が発航後に生じた場合には
船舶所有者の選択により運送賃の半額又は割合運送賃を請求することができる。 |