外貨建有価証券(1)
1.売買目的有価証券の評価は以下の要領で行う。
期末時価 × 期末レート=期末有価証券額
期首価額 - 期末価額 = 有価証券評価損益
※売買目的有価証券は、評価損益の科目を使う
設問:
以下の有価証券を評価し、決算整理後残高試算表を作成しなさい。
株式購入時為替レート90円/ドル 時価:320ドル
期末日の為替レード:85円/ドル 時価:310ドル
摘要 |
帳簿価額 |
当期末時価 |
保有目的 |
備考 |
A社株式 |
28,800円 |
310ドル |
売買目的 |
|
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
期末時価(310) × 期末レート(85)=期末有価証券額(26,350)
期首価額(28,800) - 期末価額(26,350) = 有価証券評価損(2,450)
決算整理後残高試算表 |
有価証券
有価証券評価損 |
26,350
2,450 |
|
|
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2.満期保有目的有価証券は以下の要領で行う。
償却原価法をドル建で計算する。
額面金額 - 取得原価 = 償却原価額
償却原価額 × (当該期間 ÷ 償却期間)=償却額
償却額 × 平均レート = 当期償却額
で算出する。
◎期末ドル建と(期首価額+当期償却額)の差額は
「為替差損益」勘定で処理する。
設問:以下の決算整理後残高試算表を作成しなさい。
当期首(4月1日)に以下の社債を発行と同時に購入した。
取得価額:970ドル、 取得時のレート95円/ドル、
クーポン利子率2%、利払い日:3月末
額面金額と取得原価との差額は金利調整差額であることが認められるため、定額法(月割計算)による償却原価法を適用する。
期末為替レート:78円/ドル、期中平均為替レート:80円/ドル
決算整理前残高試算表 |
投資有価証券
|
87,300
|
有価証券利息 |
1,560 |
摘要 |
帳簿価額 |
額面金額 |
保有目的 |
市場価格 |
B社社債 |
87,300円 |
1,000ドル |
満期保有 |
無 |
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
額面金額($1,000) - 取得原価($970) = 償却原価額($30)
償却原価額($30) × (当該期間(12) ÷ 償却期間(60))=償却額($6)
償却額($6) × 平均レート(\80) = 当期償却額(\480)
期首価額(\87,300)+当期償却額(\480)=期末円建価額(\87,780)
期末ドル建($970+$6) × 期末為替レート(\78) =期末評価額(\76,128)
期末円建価額(\87,780) -期末評価額(\76,128) = 為替差損益(\11,652)
【仕訳/金利調整差額償却時】
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
投資有価証券
|
480
|
有価証券利息 |
480 |
【仕訳/期末換算替え時】
借方 |
金額 |
貸方 |
金額 |
為替差損益
|
11,652
|
投資有価証券 |
11,652 |
決算整理後残高試算表 |
有価証券
為替差損 |
76,128
11,652 |
有価証券利息 |
2,040 |
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