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精神保健福祉相談援助の基盤・事例問題2
次の事例を読んで,問題33から問題35までについて答えなさい。
〔事例〕
Hさん(34歳男性)は,大学3年生の時に,自分を責める正体不明の声に悩まさ
れ,その声に反応して何回も大声を出したことでアパートの隣人から苦情が入り,H
さんが入院を拒み,父親の同意により精神科病院に入院した。(問題33)
半年後に退院したが,薬を飲むとつらいばかりで,頭もぼ一っとして考えることも
できない。また,正体不明の声が「薬を飲むな」と強く言うため,その後外来受診は
せず,服薬も全くしていなかった。
父親が3年前に亡くなり,今は66歳の母親と二人暮らしをしているが,Hさんは
正体不明の声の命令によって食事をさせてもらえなかったり,家の中で過激な運動をさせられたりすることが本当につらくて,このままでは死んでしまうと思うように
なってきた。
Hさんへの対応に困るようになった母親は,夫の介護相談をしていた地域包括支援
センターに相談した結果,訪問をして母親だけでなくHさんにもかかわってくれる専門機関を紹介された。その機関のJ精神保健福祉士は,家庭訪問を行い母親の相談に乗る傍らHさんとかかわるチャンスを探った。(問題34)
ある時J精神保健福祉士は,運よくHさんが好きな音楽の話をすることができた。
Hさんは,J精神保健福祉士と話している時間は楽しく,ふと正体不明の声のことを漏らした時に,「それはつらいですね。どうすればいいかなあ」と否定することなく受け止めて,一緒に考えようとしてくれた。これを契機に,音楽の話だけではなく,大学時代に写真コンクールで入賞したことなども話すようになった。また,少しずつで
はあるが,正体不明の声が言う命令の内容や自分が困っていることを話すようになっ
た。
Hさんは,J精神保健福祉士と話をし始めて9か月ほどすると,正体不明の声の命令があまり厳しいことを言わなくなり少し楽になった。最近は,入賞経験がある写真撮影で何か役に立てることはないかと考え,写真撮影にチャレンジしたり,母親の手
伝いを少しずつするようになってきた。(問題35) |
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