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精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題3
次の事例を読んで,問題55から問題57までについて答えなさい。
〔事例〕
Q市にあるW相談支援事業所のF精神保健福祉士は,市の保健センターのG保健師から,60代の女性から一人息子のHさん(40歳,男性)のひきこもりに関する電話相談があり,精神障害の可能性もあるため訪問に同行してほしいとの依頼を受けた。F精神保健福祉士は,G保健師とともにこの家庭を訪問し,両親との面接を行った。訪問の目的を伝えると父親は硬い表情で黙っていたが,母親は自分から話を始めた。母親の話では,Hさんは大学を卒業後に地元の企業に就職したが,元来気弱な性格で,社内でのちょっとしたトラブルをきっかけに26歳で退社して以来,家から外に出なくなってしまったのだという。当初は,食事の時などには家族と顔を合わせていたものの,2年ほどたったころから「人が怖い」などと言うようになり,29歳の時には父親が無理やり病院に連れて行っている。この時,医師から通院を勧められたのだが,Hさんは治療を拒否し,以後は受診していない。その後は,家族とも顔を合わせなくなり,自室にひきこもってTVゲームやビデオを見るだけの生活が続いている。しかし,今年定年退職した父親が強引にHさんの部屋に入って「いつまでも甘えてないで働け」と強く言うようになり,最近ではイライラしたHさんが父親と口論になることも増えてきたため,母親が父親に内緒で保健センターに相談をしたのだという。(問題55)
それまで無言だった父親は,「妻が甘やかしてきたのが悪い」と言い,Hさんについても「家でダラダラと過ごしているばかりでなんの役にも立たない。働かなくても食べさせてもらえると思っているからだめなんだ」と厳しい口調で語った。今回の訪問に関しても「妻が勝手なことをしたが,あなた方が来てもどうにもならない。病院だって役に立たなかった」と不満を漏らした。(問題56)
結局,初回訪問ではHさんに会うことができなかったが,父親も渋々ではあったが次回の訪問を了承してくれた。F精神保健福祉士とG保健師は,W相談支援事業所に戻ってHさん家族に対する今後の支援をどうするかについて話し合った。(問題57) |
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