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精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題2
次の事例を読んで,問題52から問題54までについて答えなさい。
〔事例〕
Dさん(24歳女性)は両親と弟の4人で暮らしている。大学卒業後,ある会社に入社したが,悪口を言われてつらいと言って1年あまりで退職した。その後,自宅でも「同僚の声が聞こえる」と言うようになり,約半年経過しても改善せず,自宅閉居の状態が続いたために両親が強く勧めて精神科病院を受診した。この時Dさんは「自分の考えが抜き取られる」「テレパシーで操られる」などの体験も語った。しかし,Dさんはどうしても通院や服薬の必要性を認めなかったので,精神保健指定医の判断で入院となった。なお,診断名は統合失調症であった。
入院して1週間ほど経過した時,Dさんは面会に来た両親に「なぜ入院させた」と責め「通院するから今すぐ退院したい」と訴えた。両親は,Dさんの意思に反して入院させたことを後ろめたく思っていたことから動揺し,病院のE精神保健福祉士にどう対応すればいいか相談した。(問題52)
その後,Dさんは外来通院で治療を継続することとなった。その時のDさんはあまり「声が聞こえる」などとは言わなくなったものの,昼くらいまで眠る生活が続いていた。また,通院前日から外来に行けるか心配して落ち着きがなくなり,帰ってくると「疲れた」と言って寝込んでしまうことが続いた。母親は,Dさんから主治医との診察の様子を聞いて,Dさんが病状をきちんと伝えていないのではないかと懸念していた。そんなある日,Dさんから「母親とけんかしてしまった」と興奮した声でE精神保健福祉士に電話が入った。Dさんが帰りの電車の中で「見知らぬ男の人が自分の悪口を言った」と母親に話したことを受けて,母親が「病院で先生にちゃんと話さないからいつまでたっても治らないのよ」とDさんを叱責(しっせき)したことが発端という。E精神保健福祉士は電話で助言を行った。(問題53) その後,5か月が経過し,Dさんの陽性症状の訴えはほとんどなくなったものの,受診以外,家にひきこもりがちな状態が続いていた。そんな時,DさんからE精神保健福祉士に「これからどうしていったらいいか」と相談してきた。(問題54) |
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