精神保健福祉士過去問


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精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題1




次の事例を読んで,問題49から問題51までについて答えなさい。
〔事例〕
 Aさん(23歳,男性)は,約1年前からVデイケアセンター(以下「Vセンター」という。)に通所している。高校2年の時に友人との関係から不登校となり,家にひきこもるようになった。一時的に登校しても対人関係でのストレスを感じると寝込むことが多く高校は中退している。ひきこもるようになってから精神科クリニックを受診し,統合失調症との診断を受けている。陽性症状は一時的には認められていたが,現在は消失しており,精神科病院への入院歴もない。Vセンター通所開始当初は,疲れやすく週2日通うのがやっとであったが,徐々に週5日通所できるようになっていた。Vセンターでの作業を伴うプログラムでは他のメンバーと比べ遂行能力は高いが,対人関係には敏感で時折悩みこむことがあった。その際は,デイケアスタッフのB精神保健福祉士のサポートにより何とか解決していた。Aさんの住んでいる地域は,Vセンターのほかに地域活動支援センターや障害者就業・生活支援センターなど社会資源も豊富で,支援ネットワークも形成されている。
 B精神保健福祉士は,今後について話し合うためにAさんと面接を行ったところ,「一般企業で就労したいが,これまで仕事をした経験がないので,できるかどうか自信がない」とのことであった。(問題49)
 その後Aさんは関係する施設の支援を受けて就労を開始し,1か月が経過した。この間連絡なく2回欠勤したが,仕事は何とかこなしているとのことだった。今後の支援について,地域の関係機関が集まってケアカンファレンスを行った。(問題50)
 Aさんが就労して3か月ほど経過して,関係する施設のC精神保健福祉士にAさんから「相談したいことがある」との連絡が入った。会って話を聞いてみたところ,「仕事上でミスをしてしまい,会社に迷惑をかけてしまった。それ以来また同じことをしてしまうのではないかと不安で仕方がない。退職した方がよいと思い,職場の上司に辞めることを伝えてきた」とのことだった。(問題51)




問題49 次の記述のうち,AさんへのB精神保健福祉士の提案内容として,適切なものを1つ選びなさい。

1 就労移行支援事業所を利用する。

2 障害があることを開示しないで公共職業安定所(ハローワーク)で求職活動を開始する。

3 就労継続支援B型事業所を利用する。

4 特例子会社で就労する。

5 一般企業で就労する前提として,精神障害者保健福祉手帳を取得する。

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題50 次の記述のうち,Aさんへの今後の支援策として,適切なものを1つ選びなさい。

1 良好な関係ができているB精神保健福祉士が今後も支援を継続することとした。

2 医療・福祉の職員がかかわると甘える気持ちが出てくるので,Aさんの支援は職場の上司が担当することとした。

3 特定の人を決めて支援を行うのではなく,職場のナチュラルサポートに任せることとした。

4 Aさんの主治医が外来時に状況を把握し,アドバイスするので,その他の担当者の支援は必要ないとした。

5 ジョブコーチによる支援を継続し,Aさんと職場に対して職場定着支援をしていくこととした。

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題51 次の記述のうち,相談を受けたC精神保健福祉士のAさんへの対応として,適切なものを1つ選びなさい。

1 ミスについて気にしないようアドバイスをし,頑張って今の仕事を続けるよう励ました。

2 今の職場は退職して,障害者就業・生活支援センターで作業訓練をするよう勧めた。

3 「退職した方がよい」との本人の意向を尊重し,すぐに退職することを勧めた。

4 主治医に連絡し,臨時受診をすることを勧めた。

5 相談を受け止めた上で,Aさんの職場の上司や同僚から聞き取りをし,客観的状況について把握することとした。

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    



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