精神保健福祉士過去問


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精神科リハビリテ-ション学(事例)

次の事例を読んで、問題28から問題30までについて答えなさい

〔事例〕
 Aさん(35歳、男性)は、20歳の時に統合失調症で入院して以降、数回の入退院を繰り返している。 退院後、しばらくは外来に通い病状は安定していたが、3年前より外来受診を中断してしまい、以降自宅の自室に閉じこもっており、同居家族との交流はほとんどない状態が続いている。 時々、自室内で怒声をあげることがあり、近隣の家に迷惑をかけているという配慮から、家族も対応に苦慮し疲弊しきっていた。 元々受診していた精神科病院に相談したが「本人を連れてきてください」と言われるだけで埒(らち)が明かなかった。
 Aさんの母親は困り果て、地元の保健所を訪れB精神保健福祉相談員に相談をした。 母親によると、Aさんはかねてより被害妄想による外出時の不安が強固であること、病院に行くとまた入院させられるのではという心配が強いとのことだった。 B精神保健福祉相談員は、関係機関と介入方策を検討し、現在この地域で行われている事業等を活用することにした。(問題28)
 B精神保健福祉相談員は、事業を受託している機関のC精神保健福祉士と連絡を取り、ケース・カンファレンスを行った。 C精神保健福祉士は、Aさん宅を訪問することにした。母親に招き入れられて、Aさんの自室を訪ねた。Aさんは窓のカーテンを閉め切り、暗い室内で布団をかぶって向こう向きで寝ていた。Aさんは、C精神保健福祉士の訪問を警戒してか対面することを強く拒んで、母親を怒鳴りつけていた。(問題29)
 C精神保健福祉士は、その後も頻回にAさん宅への訪問を重ねた。外出が困難なAさんに、生活に対する悩みや、今後の夢や希望を粘り強く尋ねた。Aさんも、C精神保健福祉士の傾聴する姿勢に信頼を寄せ、提案を受け入れたため、チームでの支援が組まれることとなった。(問題30)




問題28 次のうち、Aさんに対して活用することとした事業等として、最も適切なものを一つ選びなさい

1 精神障害者地域移行・地域定着支援事業

2 社会復帰相談指導

3 重度障害者等包括支援

4 重度訪問介護

5 精神障害者アウトリーチ推進事業

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題29 次の記述のうち、Aさん宅への訪問に際して、C精神保健福祉士のかかわり方として、最も適切なものを一つ選びなさい

1 Aさんには、事前に訪問する旨を、家族から伝えないよう依頼した

2 Aさんが対面を強く拒むため、挨拶や声かけを行うにとどめた

3 Aさんの訴えを傾聴した上で、入院しての治療を勧めた

4 Aさんに訪問目的を伝え、治療や服薬の必要性を説明した

5 Aさんに自傷他害のおそれがあると考えられたため、病院への移送を検討した

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題30 このチームでの支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい

1 初回訪問時に得られた情報に基づいて、課題を整理する

2 少なくとも月1回、定期的にチームによるミーティングを行うことを取り決める

3 支援計画は、精神疾患の治療と精神障害に対するリハビリテーション及び社会的支援サービスの3つに大別して作成する

4 休日・夜間以外は、いつでも相談対応を行う

5 病状悪化時には、できるだけ早期に入院させる

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


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