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精神保健福祉援助技術(事例3)
次の事例を読んで、問題75から問題77までについて答えなさい。
〔事例〕
精神科クリニックに勤務するF精神保健福祉士は、近年、子育てに関する相談件数が増えていることに気付き、クリニックの運営会議において「子育て支援」を課題に挙げることにした。その結果、子育てで悩む母親を対象としたグループワークを行うことになった。F精神保健福祉士は、クリニックの掲示板を利用して参加者を募ることにし、最終的に8名がグループへの参加を希望した。
F精神保健福祉士は、初回のプログラムに向けて、メンバーの情報を集めたり、直接メンバーと面接を行ったり、また自分自身がグループを担当するに当たって心の準備を行ったりした。(問題75)
その後、クリニックの運営会議において、グループワークの枠組みが決定された。そして、いよいよ初回のプログラムが開催された。(問題76)
プログラムを重ねるごとに、メンバー同士の交流が見られるようになった。メンバーのGさんは病状が悪化すると子どもに感情をぶつけることがあったが、町の保健センターの保健師による支援を受けることにより、自分なりの子育てができるようになってきた。Gさんはメンバーの子育てに関する相談に乗ることが多くなり、グループのリーダー的存在となっていた。ある日のプログラムで、「病気と子育て」をテーマとしたミーティングが行われた。Hさんが「病状が悪くなると、子どもを怒鳴ってしまうんです」というと、今まで発言することがなかったIさんが「私もなんです…。病気で余裕がない時、子どもがぐずるといらいらしてしまうんです…」と涙を流しながら語った。Iさんの様子に、その場にいるメンバーは黙ってしまった。(問題77)
各々のメンバーの子育ての悩みや方法が共有される中で、より仲間意識が高まった。そして、プログラムも最終日を迎えた。Hさんは「子育ての色々な方法を学びました」と感想を述べ、Iさんも「いらいらした時の対処方法を学びました」と続けた。今後、「親育ちの会」というセルフヘルプグループをつくりたいと意見が一致した。
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