精神保健福祉士過去問


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精神保健福祉援助技術(事例2)

次の事例を読んで、問題72から問題74までについて答えなさい。
〔事例〕
 Dさん(44歳、男性)は25歳で統合失調症を発症し、現在まで8回の入退院を繰り返しており、通算入院期間は10年ほどである。直近の退院は42歳の時で、退院後は包括的地域生活支援チーム(以下「ACTチーム」という。)の支援を受けながら地域生活を継続している。
 最近、ACTチームのE精神保健福祉士に誘われて、一緒に市内の就労支援ネットワークが主催するイベントに参加した。そこでは、年齢や病歴がDさんとほぼ同じ人が働いている体験を生き生きと話していた。Dさんは高校卒業後から発病するまで青果市場で働いていたが、その後は仕事の経験がなかった。しかし話を聞いたDさんは、自分も再び働いてみたいという思いが湧(わ)いてきた。E精神保健福祉士は訪問時にDさんからその気持ちを聞き、目標の中に働くことを組み入れ、就労支援を開始した。Dさんは花や菓子を扱う職場で働くことを希望していた。 3週間後、E精神保健福祉士は花屋を見つけ、そこでDさんと一緒に働く体験を3日間行った。そして体験終了後、Dさん、店長とともに体験の振り返りを行った。さらに、別の花屋と和菓子屋でも同様の援助を行った。(問題72)
 その後、DさんはE精神保健福祉士の就労支援を受けながら、障害者就業・生活支援センター(以下「センター」という。)にも登録した。同時に公共職業安定所の精神障害者雇用トータルサポーターなど、ACTチーム以外の支援機関によるかかわりもできてきた。そのため、関係機関によるケアチームを組織してDさんを中心としたケア会議を定期的に開催し、援助を進めていった。公共職業安定所による職場開拓を基にセンターとE精神保健福祉士が協力して職場に援助に入り、3か月後に、Dさんは週に12時間勤務で、希望する和菓子屋で働くことが決まった。(問題73)
 それを機にケア会議の中でフォローアップについて話し合われ、E精神保健福祉士とセンタースタッフを中心に「働く障害者の会」を設立した。更にE精神保健福祉士が主に担当となってDさんや和菓子屋への個別援助も継続している。(問題74)




問題72 次の記述のうち、E精神保健福祉士が行った援助の目的として、最も適切なものを一つ選びなさい

1 Dさんに労働の意味を理解してもらうため

2 Dさんの働く意欲を醸成するため

3 花や菓子を扱う職場でDさんが働けるかどうかを判断するため

4 Dさんに自分の可能性を把握してもらうため

5 Dさんとの関係性を深めるため

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題73 次のうち、当てはまる就労支援モデルとして、最も適切なものを一つ選びなさい

1 ジョブコーチ(援助付き雇用)モデル

2 就労訓練(Train-then-place)モデル

3 保護雇用(Sheltered Employment)モデル

4 福祉的就労モデル

5 IPS(lndividual Placement and Support)モデル

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題74 次の記述のうち、E精神保健福祉士が行う個別援助として、最も適切なものを一つ選びなさい

1 ACTチームの医療スタッフと自宅を訪問し、一緒に薬の調整について検討する

2 和菓子屋を定期的に訪問し、仕事をしながら生活場面面接を行う

3 大きな問題が起きたらDさんから連絡をもらうこととし、解決に当たる

4 和菓子屋を訪問してDさんの職務をアセスメントし、援助の方法を検討する

5 雇用前と同様の頻度で和菓子屋に援助に入り、Dさんの職場への定着を図る

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    

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