精神保健福祉士過去問


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精神保健福祉援助技術(事例4)

次の事例を読んで、問題78から問題80までについて答えなさい。
〔事例〕
 J精神保健福祉士は、Y精神保健福祉センターに地域体制整備コーディネーターとして配置されている。ある日、J精神保健福祉士が担当している圏域のQ市におけるX精神科病院(以下、「X病院」という。)のF精神保健福祉士から、長期入院患者の退院を進めたいという連絡があった。Q市は入口25万の市で、市内には精神科病院が3か所、通所・入所サービスを提供している福祉サービス事業所が5か所ある。X病院からの依頼は建て替えによるベッド数削減という現実的な理由からであったが、J精神保健福祉士にとっては好機ととらえられた。市の福祉事務所も長期入院患者の地域移行を大きな課題としており、J精神保健福祉士は、早速X病院に事業に関する説明に出向いた。(問題78)
 しばらくX病院に通う中で、十数名の候補者がリストアップされた。F精神保健福祉士と相談し、昨年隣市で退院したGさんを招いて、経験談を語ってもらったところ、数名が退院の希望を伝えてきた。その中にHさん(男性、62歳)がいた。Hさんはかつて印刷工だったが30歳代で入院し、退院を勧めても首を縦に振らないまま長期入院となっていた。ADLは自立しているが、身内もおらず、ずっと生活保護を受給している。地域移行推進員との面接では、「Gさんは楽しそうに話していた。仲間が亡くなったり、顔なじみの看護師が退職したりして、ここにいても自分には楽しいことがなくなった」「自分は将棋で敵なしだったが、最近は相手になる患者や職員が減ってしまった」と話したそうである。退院したいという気持ちになっている今のタイミングを大事にして、Hさんを後押ししようということになり、かかわっている人たちで退院に向けた具体的な支援計画が立てられた。(問題79)
 X病院での取組がきっかけとなり、Q市の他の医療機関や福祉サービス事業所が長期入院者の退院や地域定着支援に関心を寄せてくれるようになった。そこで、J精神保健福祉士とF精神保健福祉士を中心に、退院支援ネットワーク会議が結成され、課題の共有化に向けての話合いが行われた。(問題80)




問題78 次のうち、この時点で行うJ精神保健福祉士の活動として、適切なものを一つ選びなさい

1 福祉事務所に対象となる事例の選定会議を主催してもらう

2 地域移行推進員の助言を受けながら進める

3 精神科デイケアで説明会を開催する

4 病棟での説明会の開催とパンフレットの配布を依頼する

5 市内の他の精神科病院にも同時に働きかける

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題79 次のうち、Hさんの支援計画として、適切なものを一つ選びなさい

1 看護師や作業療法士による生活技能の査定

2 介護支援専門員による将棋クラブへの同行

3 F精神保健福祉士による緊急通報システムの導入

4 市の保健師による退院前訪問指導の実施

5 生活保護担当者によるアパート保証人のあっせん

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    


問題80 次のうち、ここで展開される活動として、最も適切なものを一つ選びなさい

1 就労訓練を希望する精神障害者のために、ジョブマッチングを開始する

2 X病院の入院患者を対象にピアサポーター研修への参加を呼びかける

3 相談支援事業者が市からあんしん賃貸支援事業の委託を受けられるよう支援する

4 地域自立支援協議会と連携し、ネットワークのあるQ市に退院先を集中させる

5 福祉事務所に自立支援業務を担当する精神保健福祉士の配置が必要であることを確認し合う

解答:1. 、2. 、3. 、4. 5.    

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